トム・ハンクス主演の映画「オットーという男」は、妻を失ったひとりの寂しい男の余生が描かれた、心温まるストーリーが魅力の作品です。
今作品を見た方の中には、次の疑問を感じる方もいると思います。
- 「オットーという男」は実話?
- それとも原作がある?
結論をいうと、「オットーという男」は実話ではなく、スウェーデンのある大ヒット小説が原作となっています。
個人的に、「オットーという男」に比べ、原作小説の方がより深く主人公の心情や背景を知ることができると思っていますので、ぜひ参考にしてください。
映画「オットーという男」は、Amazonプライムビデオで配信中です。
「オットーという男」は実話ではありません
「オットーという男」は、実話ではなく、スウェーデンの「幸せなひとりぼっち」という大ヒット小説が原作の映画です。
もう少し正確に表現すると、2015年に小説「幸せなひとりぼっち」を題材にした同名の映画がスウェーデンで公開され、その映画をハリウッド版にリメイクしたのが「オットーという男」という位置づけになります。
つまり、時系列を整理すると、次のようになります。
- 2012年に小説「幸せなひとりぼっち」がリリース
- 2015年に同小説を原作にした映画「幸せなひとりぼっち」がスウェーデンで公開
- 2022年に同映画をハリウッド・リメイクした「オットーという男」がアメリカで公開
どれも、名作ばかりでおすすめです。
映画「オットーという男」の原作小説
映画「オットーという男」の原作は、2012年に発表されたスウェーデンの小説「幸せなひとりぼっち」です。
この小説を書いたのは、同国の人気ブロガー&コラムニストとして活動する、フレドリック・バックマン氏。
スウェーデン国内では、なんと80万部を超える大ベストセラー作品となっています。
また、38以上の国で翻訳され、世界各国で愛読されています。
原作小説の概要
映画「オットーという男」の原作「幸せなひとりぼっち」の概要です。
- 著者:フレドリック・バックマン
- 翻訳:坂本あおい
- 原題:EN MAN SOM HETER OVE
原題の”EN MAN SOM HETER OVE”を日本語に訳すと、「オーヴェという男」です。
「幸せなひとりぼっち」は、本作品が翻訳された際につけられた邦題で、おそらくセールス的に「オーヴェという男」より「幸せなひとりぼっち」の方が良かったのでしょう。
原作小説と「オットーという男」の違い(ネタバレなし)
原作小説「幸せなひとりぼっち」の主人公は、オーヴェという名の59歳の男性です。
映画「オットーという男」の主人公オットーは63歳ですから、年齢設定に若干の差が設けられています。
原作小説は39の章から成り立っていて、「オットーという男」では描かれなかったストーリーが含まれていたり、主人公の人間性をより深く知れたりなど、小説ならではの楽しみ方ができます。
原作小説の章の一部をご紹介すると、次の内容です。
- 1章:オーヴェという男、コンピューターでないコンピューターを買う
- 2章:(三週間前)オーヴェという男、近所の見まわりをする
- 3章:オーヴェという男、トレーラーをバックさせる
- 4章:オーヴェという男、三クローナの手数料の支払いを渋る
- 5章:オーヴェという若者
- 6章:オーヴェという男と、自転車をおくべきところにおくべきだった自転車
- 7章:オーヴェという男、ドリルでフックのための穴を開ける
映画「オットーという男」でも、見覚えのあるシーンがあったのではないでしょうか?
原作小説では、映画では描かれなかったシーンや心情などが描かれていて、より深く主人公の人柄や背景を知ることができます。
「オットーという男」という作品をより深く味わいたい方は、ぜひ原作小説を読んでみてください。
原作は映画化もされています
冒頭でお伝えしたとおり、原作小説「幸せなひとりぼっち」は、同名で映画化もされています。
映画の方は2015年に公開され、原作小説の名が世界に知れ渡ることになった名作です。
原作の映画は、「オットーという男」と同じくAmazonプライムビデオで視聴できますので、「オットーという男」との違いを楽しんで見たい方は、ぜひご覧になってください。
個人的には、原作映画のほうが過去の回想シーンが多く、主人公の人柄の背景をよく知ることができると思っています。
まとめ
今回は、映画「オットーという男」の原作小説をご紹介しました。
約2時間という限られた時間内で制作される映画とは違い、小説は主人公の心情や背景が事細かに描かれます。
そのため、映画に比べてより深く作品を味わうことができますので、よければぜひ小説もご覧になってください。