映画「グレイテスト・ショーマン」の最後に、P.T.バーナムの言葉が表示されるけど、あれってどういう意味なんだろう?
映画「グレイテストショーマン」を最後まで見終わると、エンドロール手前で下記内容のP.T.バーナム氏による言葉が表示されます。
THE NOBLEST ART IS THAT OF MAKING OTHERS HAPPY.
最も崇高な芸術とは人を幸せにすることだ
P.T.バーナム
映画「グレイテスト・ショーマン」より
P.T.バーナム氏とは、紛れもなく「グレイテスト・ショーマン」の主人公で、上記は映画の中の人物ではなく「実在した方の人物」が語った言葉になります。
では一体、この「最後の言葉」にはどんなメッセージが込められているのでしょうか?
※なお、本記事は映画「グレイテスト・ショーマン」のネタバレを含みますのでご注意下さい。
なお、ネタバレなしのあらすじや感想を先に知りたい方は、下の記事をどうぞ。
「グレイテストショーマン」最後の言葉に込められたメッセージ
映画グレイテスト・ショーマンの最後の言葉「最も崇高な芸術とは人を幸せにすることだ」とは、一体どんな意味なのでしょうか?
これは「芸術に『本物』や『偽物』といった概念はなく、人を笑顔にしたり幸せな気分にしたりするものであれば、どんな形であれ素晴らしい芸術である」という意味です。
批評家から「偽物」と酷評されたバーナム
主人公のP.T.バーナムは、当時「フリークス」と呼ばれた人たちを集め、「バーナムサーカス」というショーを始めました。
ショーは瞬く間にニューヨーク市民の間で人気となり、連日チケットが売り切れるほどの大盛況となります。
しかし、芸術の批評家から浴びせられるのは、厳しい言葉ばかり。
新聞の紙面には「偽物」「低俗」などの辛辣なワードが並び、バーナムサーカスは酷評され続けました。
バーナムは「本物」を追い求め始める
バーナムサーカスの大成功により巨万の富を築き、大豪邸にも住めるようになったバーナムでしたが、それでも彼の心が満たされることはありませんでした。
なぜなら、彼のサーカスは、上流階級から全く認められなかったからです。
上流階級の人たちが言う「本物の芸術」とはオペラやバレエなどであり、バーナムのサーカスは彼らにとって「偽物」でしかありません。
そこでバーナムは、上流階級の人たちを呼べる「本物」の出し物を追い求め始めます。
彼が最初に目を付けたのは、若手ホープの劇作家フィリップ・カーライルでした。
カーライルは裕福な家庭の生まれで、上流階級向けの演劇を手掛けるプロの作家です。
バーナムとカーライルは「取り分10%」の条件で契約を合意。
カーライルは早速「コネ」を使い、何とバーナムサーカス団は、イギリスのヴィクトリア女王からバッキンガム宮殿に招待を受けることになります。
バッキンガム宮殿での晩餐会で、バーナムは運命的な出会いを果たします。
スウェーデン出身のオペラ歌手で、当時ヨーロッパでもっとも有名とされていた、ジェニー・リンドとの出会いです。
上流階級が呼べる「本物」を求めていたバーナムは、即座に彼女と接触し、アメリカでの単独公演を契約します。
ジェニー・リンドの公演には、バーナムの思惑通り、たくさんの上流階級の人たちが集まりました。
そして、彼女の歌声は「本物」を求めている人たちを魅了し、公演は大成功を収めます。
生まれて以来、ずっと上流階級の人たちから疎まれてきたバーナムでしたが、ようやく「上流から認められる存在になった」と感じることとなります。
人を幸せにするものこそ至高の芸術である
ジェニー・リンドのツアーが各地で大きな喝采を浴びる一方で、バーナムサーカスの客足は徐々に遠のいていきました。
バーナムはジェニー・リンドの公演につきっきりで、バーナムサーカスを放ったらかしにしていたのが原因です。
バーナムがいない間はカーライルが代役をつとめていましたが、「上流向け」の演劇しか手掛けたことがない彼では、サーカスを観に来た観客を楽しませることができなかったのです。
さらにバーナムは、ジェニー・リンドとのスキャンダルをでっち上げられ、家族と離れ離れに。
そして、彼に追い打ちをかけるような形で、バーナムサーカスが放火によって消失してしまいます。
すべてを失ったバーナムは、ここでようやく「本来の目的」に気が付きます。
彼がバーナムサーカスを始めたのは、家族を幸せにすることでした。
しかし、バーナムサーカスが成功し、さらにはジェニー・リンドの公演も成功させた彼の目的は、いつの間にか「自分が世間(特に上流階級)から認められること」にすり替わってしまっていたのです。
自分の目的は、家族を幸せにすること。
そして、自分が本当にやりたかったことは、ショーを観に来てくれたお客さんを幸せな笑顔にすることだ。
バーナムサーカスを立ち上げた頃の自分を取り戻したバーナムは、カーライルや劇団員たちの力を借りて、ふたたびショーの舞台に立ちます。
まとめ
今回は、映画「グレイテスト・ショーマン」のP.T.バーナムの最後の言葉を取り上げました。
ショーの世界に飛び込んだバーナムは、「本物の芸術」という得体の知れないものに取り憑かれ、本来の自分を見失いかけてしまいました。
しかし、全てを失いかけた時、ようやく「本当の芸術とは何か?」に気がついたのです。