この記事では、映画グレイテスト・ショーマンより11個の名言をご紹介します。
英語と日本語の両方をご紹介しますので、気に入ったものはメモしたり、もう一度映画を観るときに活用していただければと思います。
※本記事は映画グレイテスト・ショーマンのネタバレを含みますのでご注意下さい。
なお、ネタバレなしのあらすじや感想を先に知りたい方は、下の記事をどうぞ。
映画「グレイテストショーマン」の名言
名言①:This is me(これが私)
映画グレイテスト・ショーマンの主題歌のタイトルであり、本作品のメインテーマでもある言葉です。
主人公P.T.バーナムが立ち上げたサーカス団を成功に導いたのは、他でもないバーナムサーカスの劇団員たちでです。
彼らは元々「フリークス」という呼び名で差別され、周囲の目から隠れるように生活をしていた人たちでした。
しかし、バーナムによって「人を笑顔に変える才能」を見出された彼らは、観客の前でスポットライトを浴びることになります。
バーナムサーカスで脚光を浴びる前は、身を隠すような生活を余儀なくされていた劇団員たちでしたが、“This is me!(これが私!)“と胸を張れるようになったのです。
名言②:There’s nothing I’m not worthy of(値しないものなど何ひとつない)
映画グレイテスト・ショーマンの主題歌「This Is Me」の一節です。
「自分に取り柄など何もない」「愛される価値もない」と思い込んでいたサーカスの劇団員たちは、勇気を出してショーの舞台に立ったことで、観衆たちから大喝采を浴び、「自分にも価値がある」と実感します。
And I know that I deserve your love
(私にも愛される価値がある)
There’s nothing I’m not worthy of
(値しないものなど何ひとつない)
映画グレイテスト・ショーマン 「This Is Me」より
主題歌「This Is Me」の歌唱も担当したキアラ・セトルの、圧巻の歌声をどうぞ(該当のパートは2分40秒くらいからです)。
名言③:That leaves a hole that no ovation can ever fill(心の穴は大喝采でも埋められない)
スウェーデン出身の有名なオペラ歌手ジェニー・リンドが、バーナムに語った言葉です。
That leaves a hole that no ovation can ever fill.
(心の穴は大喝采でも埋めることができない)
映画グレイテスト・ショーマンより
はたから見ると、歌手として大成功をおさめた順風満帆な女性に見えるジェニー・リンド。
でも実は、彼女は観客からオベーション(ovation/拍手喝采)を浴びても心にポッカリと穴が空いたままだと言います。
それは、彼女が「婚外子」として生まれ、家族から疎まれつつ育ってきた家庭環境が原因でした。
ジェニー・リンドの境遇は、グレイテスト・ショーマンの主人公バーナムにも共通します。
彼もまた、幼い頃に両親を失い、まわりから十分な愛を受けることなく育ってきた人間だからです。
それが故に、バーナムはサーカスが成功したにもかかわらず、より大きな喝采や称賛を求めて「上流階級向け」の興行に手を出しました。
このように考えると、「心の穴は大喝采でも埋められない」というジェニー・リンドの言葉は、必要以上を求め始めたバーナムに対する「忠告」だったのかもしれません。
名言④:When you’re careless with other people, you bring ruin upon yourself(人を大切にしないなら破産(破滅)も仕方ない)
ジェニー・リンドからバーナムに向けられた、もう一つの「忠告」の言葉です。
自分のことを人間ではなく「単なる出し物のひとつ」としてしか見ないバーナムに対し、ジェニー・リンドは全米ツアーの公演から降りることを決断しました。
ツアーからの撤退を聞かされたバーナムは、「破産してしまう」と引き留めようとしますが、彼女は「人を大切にできないなら破産して当然よ」と突っぱねます。
When you’re careless with other people, you bring ruin upon yourself.
(他人を大切にしないなら、破産しても仕方がない)
映画グレイテスト・ショーマンより
なお、日本語版字幕では「破産」と訳されていますが、ruinを文字通り「破滅」と訳した方がよりニュアンスが近いのかなと思っています。
なぜなら、ジェニー・リンドや妻たちからの忠告を無視して自身の成功だけを目的に「暴走」したバーナムは、全財産を失うだけでなく、家族や友人たちをも失いかけることになったからです。
バーナムサーカスは、バーナムが「フリークス」と呼ばれていた人たちに敬意を払いつつ運営したからこそ、大きく成功することができました。ジェニー・リンドについても同じです。
しかし、成功するにつれ、バーナムはいつの間にか彼らを「金儲けの道具」としてしか見れないようになってしまい、仲間としての信頼を失ってしまったのです。
名言⑤:You don’t need everyone to love you(愛を欲張らないで)
オペラ歌手のジェニー・リンドから忠告を受けていたバーナムでしたが、彼は妻であるチャリティからも幾度となく忠告を受けています。
サーカスが成功したにもかかわらず、さらなる称賛や喝采を追い求めて走り続ける夫に対し、「他人から過剰に認められる必要はないわ。家族や友だちなど身近な人たちからの愛があれば十分でしょ」と諌めました。
You don’t need everyone to love you.
(愛を欲張らないで)
Just a few good people.
(少しの善人の愛で十分よ)
映画グレイテスト・ショーマンより
“You don’t need everyone to love you”は直訳すると「みんなに愛される必要はない」ですが、周囲から認められることに飢えていたバーナムには「欲張らないで」の方がしっくりきますね。
名言⑥:You gave us a real family(あなたは本当の家族をくれた)
この言葉は、劇団員のレティが、劇場や財産を失って気を落としているバーナムに向かってかけた言葉です。
レティをはじめ劇団員たちは、世間だけでなく、家族からも見捨てられたような人たちばかりでした。
しかし、バーナムが彼らの隠れた才能を見出し、サーカス団を結成したおかげで、彼らにはじめて「本当の家族」と呼べる存在ができたのです。
確かに、バーナムは彼らを金儲けに利用しただけだったのかも知れませんが、劇団員たちは彼に対して感謝の心を抱いていました。
Maybe you are a fraud.
(あなたはペテン師かもしれない)
Maybe it was just about making a buck.
(金儲けだけが目的だったかもしれない)
But you gave us a real family.
(でもあなたは本当の家族をくれた)
映画グレイテスト・ショーマンより
この言葉を聞いたバーナムは、家族(自分の家族や劇団)をないがしろにしてきたことを反省し、これからは家族のために生きようと決意することになります。
名言⑦:From now on, these eyes will not be blinded by the lights(これからは光に目をくらませない)
映画グレイテスト・ショーマンの挿入歌「From Now On」からの一節です。
ジェニー・リンドから見放された挙げ句、火災で劇場を喪失し、家族とも離れ離れになってしまったバーナムによる、自戒を込めた言葉です。
当時のバーナムにとっての”light”(光)とは、「上流」と呼ばれる人たちから称賛されたり、セレブが集う場に招待されたりすること。
幼い頃から恵まれない環境で育ってきた彼は、そんなきらびやかな世界が羨ましくて仕方がなかったのです。
しかし、それは「他人の夢(=幻想)」だと気が付き、「今後は絶対に光に目をくらませない」と決断します。
From now on, these eyes will not be blinded by the lights.
(これからは光に目をくらませない)
映画グレイテスト・ショーマン「Fron Now On」より
バーナムがショーの世界に飛び込んだ一番の目的は、家族を幸せにすることでした。
結婚してからずっと、お金の面で家族に苦労をかけてきたと悩み続けてきたバーナムにとって、大金を稼ぐことが家族を幸せにする唯一の方法だと思いこんでいたからです。
しかし、劇団員たちのおかげで、バーナムは自分の「本来の目的」に気づくことになります。
名言⑧:I wanted to be more than I was(成功を求めすぎた)
家を出ていった妻チャリティに対する、バーナムの反省の言葉です。
I wanted to be more than I was.
(成功を求めすぎた)
映画グレイテスト・ショーマンより
チャリティは、際限なく成功や周囲からの称賛を求め続けるバーナムに対して、何度も「忠告」をしてきました。
しかし、バーナムは聞く耳をもたず、家族や劇団員たちを半ば放置状態でジェニー・リンドの公演にすべてを注ぎ込み、結果的にすべてを失いかけてしまいました。
僕たちの生きる現実の世界でも、「お金持ちになっても、必ずしも幸せになれないよ」という話をよく耳にします。
その理由のひとつとして、お金持ちになると周囲から大切な人がいなくなってしまうから、という点が挙げられます。
お金で何でも解決できるようになると、まわりの人に頼る必要がなくなり、他人に対する親切心とか誠意がなくなってしまうからだそうです。
バーナムも同じように、金銭的には大成功をおさめたものの、家族や劇団員たちの心は彼から離れていきました。
彼の成功は「すべて自分のおかげだ」と、おごり高ぶってしまっていたからです。
“I wanted to be more than I was(成功を求めすぎた/今以上の自分になりたかった)“というセリフは、愛に飢え続けて「承認欲求の塊」と化してしまった、バーナムの反省の言葉です。
名言⑨:All that’s left is friendship, love, work that I adore(残ったのは友情と愛と誇りの持てる仕事だけ)
この言葉は、バーナムの相棒であるフィリップ・カーライルのものです。
バーナムサーカスが火事で消失し、再建のための融資を銀行に断られたバーナムは、まるですべてを失ったかのように意気消沈します。
しかし、カーライルは彼にこう声を掛けました。
All that’s left is friendship, love, work that I adore.
(残ったのは友情と愛と誇りの持てる仕事だけ)
映画グレイテスト・ショーマンより
まるでカーライルが、お金の心配ばかりしているバーナムに対して「たとえお金や劇場がなくても、劇団員たちとの友情や愛があって、その仕事に誇りを持っていれば十分じゃないか!」と励ましているかのようにも聞こえます。
この言葉を聞いたバーナムは、劇場の再建をあきらめ、土地代がタダ同然の場所にテントを建ててサーカスを再開する決意をしました。
名言⑩:You brought joy into my life(人生の喜びを教わった)
こちらも、劇場が消失して落ち込むバーナムに掛けた、カーライルの言葉です。
カーライルはもともと、劇作家として名が売れ始めていて、上流階級の世界ではほぼ将来を約束されたに等しい存在でした。
しかし、バーナムの巧みな口説き文句と、「興行収入の10%」という好条件により、バーナムサーカスに加入することになったのです。
バーナムサーカスに加入したカーライルは、そこで人生の喜びを味わいます。
なぜなら、彼が本当にやりたかったことは会場のお客さんを笑顔にすることであり、「美徳を売り物」にする演劇には心から誇りを持つことができなかったからです。
富裕層の家に生まれたカーライルは、親の期待に応えるためだけに、劇作家の道を選びました。
しかし、バーナムとの出会いによって「人生の喜びを教わった」彼は、バーナムに対して感謝の心を口にしたのです。
名言⑪:The nobelest art is that of making others happy(最も崇高な芸術とは人を幸せにすることだ)
これは、映画グレイテスト・ショーマンの本編終了後に表示される、P.T.バーナムの言葉です。
本作品の主人公バーナムは実在していた人物で、この最後の言葉は、彼が生前に残したものになります。
映画の中でバーナムは、サーカスを離れて「本物の芸術」を追い求めるようになりました。
なぜなら、彼の手掛けたサーカスは批評家たちから「偽物」と酷評され、上流階級の人たちからはまったく認められなかったからです。
父とともに子供の頃から上流階級の人たちから蔑まれてきたバーナムは、そのことをずっと根に持っており、「いつかあいつらを見返してやろう」と心に決めていたのです。
しかし、「どんな形であれ人を笑顔にすることが出来れば素晴らしい芸術だ」と気づいた彼は、ふたたびサーカスのステージに立つことを決断しました。
映画「グレイテストショーマン」の名言まとめ
今回は、映画グレイテスト・ショーマンの名言をご紹介しました。
勇気を与えてくれる言葉や、人生の教訓にしたい言葉など、今回たくさんの言葉をご紹介しましたが、言葉の意味をあらためて考えると、より作品に深みが生まれます。
すでに本作品を観た方は、本記事を読んだあとであらためて観てみると、新たな気づきや発見が生まれるかもしれません。